香川の漆器 後藤塗
後藤塗 ごとうぬり
「後藤塗」は創始者、後藤大平の名に因するもので、讃岐漆器の名品であります。 明治三十年ごろ、翁は朱漆をかけた中国風の彫抜(くりぬき)盆を作りましたが、あまりにも朱いことからその上へ渋い「生漆」をかけて研ぎだしてみるとみますと、何とも言えない「味」のある漆器ができ、そこからヒントを得て本格的に発展させたものがこの「後藤塗」そのものの起こりであります。 後藤塗は最初、余技として彫抜盆、茶道具に塗られていましたが、塗りの堅牢さと優雅さから広く愛用され、大正の初めのころからは市民にも香川の特産品として、座卓、硯箱、小箱、盆などにも朱を基調として進出しています。後藤塗の渋い文様は、使えば使うほどに塗りの“渋”と“味”が美しさを増し、皆様のご家庭に一つのアクセントを与えることでしょう。
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香川の漆器 後藤塗
象谷塗 ぞうこくぬり
玉楮象谷(たまかじぞうこく)は讃岐漆器の始祖として数多くの名品を残し、現在の讃岐漆器の芸術的基礎を作った一世の才人でありました。 この象谷塗は、翁が中国と日本の塗仕法を総合研究して作り出したものです。利根川周辺に群生する菰(こも)がやの花粉を漆の上に撒き、風雅な陰影をかもし出すその文人派風の野趣は見る人に深い興味を与えます。 使えば使うほどに色が現れ、雅味を深め、皆様のよきご家庭の伴侶となることと存じます。
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香川の漆器 後藤塗
独楽塗 こまぬり
漆器は遠い昔、中国から伝え来たったもので、その塗法は、唐風のものから日本の風土や、好みに合った和風へと、時代と共に移り変わり、全国各地で独特の手法が創られました。  独楽(こま)塗は讃岐漆器の中でも最も古い手法の一つで、子供玩具の独楽からヒントを得て色漆を塗り違えた感じはその美しい配色から一名高麗(こま)塗とも称します。わが国服飾史上、最も美飾的といわれる十二単の袖口の美麗にも似てその深い優雅さからは品位がただよい堅牢さと共に今では楽しい暮らしの友として皆様方の間で広くご愛用されております。
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香川の漆器 後藤塗
彫漆 ちょうしつ
「彫漆」は中国に起り、我が国へ渡来したもので、当地、香川においては、江戸末期、当時の漆工名匠であった玉楮象谷先生によって日本的な美しいものとして完成いたしました。 彫漆の技法は色漆を数十回ないし数百回塗り重ね、一定の厚さになればその上に模様図案を書き、彫刻をしてよく研磨して艶(つや)をつけて仕上げます。堆朱(ついしゅ)とは朱漆ばかりを塗り重ねたもの。堆黒(ついこく)とは黒漆を塗り重ねたものであります。紅花緑葉とは字の如く朱漆、黄漆、緑漆等をもって草花文様を表現したものであります。現代のは以上の三つの名称を含めて漆を塗り重ねて彫った作品を彫漆と言います。
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香川の漆器 後藤塗
蒟醤 きんま
「蒟醤(きんま)」は東南アジアにアジアに自生する植物の名称であり、その葉を入れる容器から由来したと言われていますが、現代では香川の特産である漆器の呼称になりました。 もともとこの蒟醤(きんま)塗はシャムの漆器に加飾された漆工技法でありましたが、江戸時代にこのシャムの漆器を日本に持ち来たり、これを日本ではキンマ手と称しておりましたが、江戸末期に香川漆芸の先駆者、玉楮象谷(たまかじぞうこく)によって日本的な美しいものとして完成いたしました。 蒟醤(きんま)塗の工程は木地の上に漆下地を施し、その上に上塗り漆を508回塗り重ね、乾燥後に文様を線彫し、そのくぼみに彩漆を刷り込んでいく作業を繰り返し、最後に表面を平らに研磨していくといった独特の技法です。 非常にデリケートで力強い文様を表現したものであり、時を経る毎に益々彩漆の美しさを発揮します。
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